ひとつ残らず(涙)

今住んでいる家は亡き祖父が建てた家で、裏に畑があります。祖父作のキウイ棚には、今年もたっくさん実がなっていて、暇をみては一生懸命収穫していました。そして昨日も鋏とダンボールをもって畑に行ったのですが。
ひとつもないの! キウイが!
最近いたずらが加熱してきてるカラスかな、とも思ったのですが、ちゃんと茎を残して実だけを切っているあたりからして、おそらく人間です。うちの関係者(オットの実家の知人とか親戚とか)かもしれませんが、それにしても取るなら一言声くらいかけてくれるだろうし……。
あんなにたくさんあったのに……と、もっと他にもあげる予定だった人の顔を思い浮かべて、しょんぼり。ある程度は収穫していたので、うちのぶんと近い親戚のぶんくらいはありますけどね。
畑自体、雑草も生えまくってるし、キウイも摘果とか剪定とかしてないし、手を入れてない感じから“忘れてるのなら勿体ない!”と思われたのかもしれませんが、私は私なりに楽しみにしていたのです。農作物や花って、“ちょっとくらいならいいじゃん”“こんなにたくさんあるんだし”“これ多分誰のものでもないよ”“柵もしてないし”と、思われやすい気がします。私も、盗ったことこそありませんが、こういう田舎に来るまではそういう気持ちがあったと思います。でもこれははっきりと所有物だし、いくら手を入れてなくても、作物や花には「時間」がかかってる。お店で万引きをするのと同じことなのです。私のは、生計をたてるための作物じゃありませんが、お米とか出荷用の野菜や果物を盗まれた農家の人のショックは、想像して余りあります。
こういう事件のたび、モラルの低下等が言われます。確かにそれもあると思いますが、たいていの人は上のような気持ちから、そう悪いことと思わずにしている行動なのかも、とも思います。大きくなるのを辛抱強く待って、雨の日も風の日も一生懸命世話をして、そうして過ごした時間と労力を生活の糧となるお金に換える、そういう仕事なのだ、ということは、体験したり身近で見ないと、実感としてわからない。スーパーに並ぶ野菜やパック詰めされたお米から、それを想像しろというほうが無理な話でしょう。
来年はちゃんと摘果や剪定もして、ちょっとした柵でも立てておこうと思います。